離婚のための法律情報

離婚後の方へ

離婚後の生活設計
~収入の確保は、離婚した女性が1番最初に突き当たる問題です

「本当に離婚することはできるのか?」の問題と同じくらい、「離婚後の生活設計」も考えていくことは、重要なことになります。
子供に関すること、離婚後の住まい、専業主婦の場合再就職の問題など、離婚後の経済状況については、しっかりと方針を定めて、覚悟して向かう必要があります。そうでなければ、離婚後の生活は破綻しかねません。

少なくとも、離婚前の生活よりも、離婚後の生活の方が幸せだといえるようにするためには、離婚後の生活状況についても、しっかりと設計を立てておくようにしましょう。

離婚後の生活設計

厚生労働省によると、母子世帯の年間の平均収入金は299万円(平成9年)。これには、就労収入他生活保護法に基づく給付、児童扶養手当、養育費等すべての収入の金額が含まれます。
ちなみにその前に調査した平成4年は215万円で、いずれも低い収入になっています。

これに対し、父子世帯においては、平成9年の年間の平均収入は422万円、平成4年423万円となっています(以上は、平成15年3月19日厚生労働大臣告示『母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針』より)。

女性の社会進出が目覚ましい世の中になってきたとは言え、いったん仕事を辞めて家庭に入った女性の場合は、再就職を考えていかなければなりません。
結婚後も継続して働いていた女性の場合は比較的に楽といえるかもしれませんが、再就職ともなると、特に不況の影響も受けて、実に厳しい実態があります。

子供を引き取る場合はなおさら、離婚した場合の住む場所の確保や、就職先を探し、自分で生活できる経済力が必要になります。離婚後のこうした経済の問題は、大きな課題で、離婚したくてもできない最大のネックになっています。

先ほどの厚生労働省の調査によると、母子家庭の母の84.9%(平成5年87.0%)が就業。このうち常用雇用者は50.7%(平成5年53.2%)、臨時・パートが38.3%(平成5年31.3%)になっています。

養育費の取得状況については、離婚母子家庭のうち、養育費の取り決めをしている世帯は35.1%しかないそうです。

養育費の取り決めをしていない理由としては、「相手に支払う意志や能力がないと思った」という者がもっとも多い61.1%で、「取り決めの交渉をしたがまとまらなかった」11.3%、「取り決めの交渉が煩わしい」6.5%になっています。

養育費の受給状況については、現在も受給している者が20.8%、受けたことがある者が16.4%、受けたことがない者が60.1%となっています。養育費を現在も受けている、または1度でも受けたことがある人の1世帯当たりの養育費の平均額は、月額53,200円だそうです。

離婚後はほとんどの女性が、働きながら子供を育てているようですが、養育費の取り決めをして離婚した人は少ない実態がうかがえます。

本来養育費というのは、子供を育てるお金です。離婚したら、生活費の基本である住居費・光熱費は、きちんと自分で得ていくようにしなければなりません。1人で子育てしながら働き、しかも家事までこなしていくことを考えると、女性の負担はかなり大きくなることが予想されます。
しかし、子供の養育費さえ、充分に確保できていない女性の実態があります。

もう少ししっかりと取り決めておけばよかった、考えておけばよかったと、離婚後に後悔したりすることのないようにしておくことが大切です。
実家の協力は得られそうな場合は、予め了解を得ておくようにしましょう。
きちんと計画を立て、経済的に不利になる場合もあることなど、覚悟できることはきちんと覚悟して離婚に臨んでいくようにしましょう。

子供がいる場合は、都道府県や市町村の窓口、社会福祉事務所を訪ねると、生活の相談に応じてくれ、状況に応じて、さまざまな福祉を紹介して、利用できるようしてくれます。日頃から各自治体や社会福祉事務所などのサイトを調べて、どのような福祉制度があるのか、把握しておくことも大切です。


住居について

就職先が決まっても、そこから通う住居がきちんと決まっていなければ、生活が困難になります。
離婚後に住む場所を、きちんと確保しておかなければなりません。

実家

大きな出費である家賃負担が少なくなるので、生活は安定し、今後の生活設計が立てやすくなります。世帯全体の収入状況により、母子の手当等が受けられないケースが出てくると思いますが、とりえず生活は安定させることができます。

ずうっと住み続けられる場合はいいですが、そうでない場合は、これからの仕事の問題など今後の生活設計を、実家に身を置ける間に、しっかり組み立てておく必要があります。

賃貸住宅にそのまま住み続ける~契約名義人の変更

賃貸住宅に住んでいる場合、離婚後に夫が住まいを探して引越しをし、妻と子供がそのままアパートなどの賃貸住宅住み続けるという方法もあります。
その場合、契約名義人と実際の居住者が違っていると、後々トラブルになる場合があり、賃貸契約の名義人が夫の名前になっている場合は、契約者を変更する必要があります。

これまでの家賃支払いの実績があり身元が確かだと認められていれば、比較的契約しやすいといえますが、所得証明書や源泉徴収票など、あなたが安定した定期収入を得ているという証明書の提出が求められることもあります。
銀行の残高証明書などで、自分名義の預貯金が一定額以上あることを証明することで、名義を変更できる場合もあります。また、賃貸契約者の変更に伴い、新たに保証人が必要になる場合もあります。

妻が夫と住んでいた賃貸住宅を出て、賃貸住宅を借りる場合などにより、資金が不足する場合は、市の福祉課などで生活資金の貸し付けをしてくれる場合もあります。資金に急いで、金利の高い金融会社で借りるよりも前に、まず問い合わせてみてください。

結婚生活の際に住んでいた分譲住宅から、妻が家を出る

結婚生活の途中で分譲住宅や分譲マンションを購入し、夫がそこに住み続け、妻が出て、アパートを借りるような場合は、不動産評価額の半分は、妻は財産分与として、夫に請求できることになります。
その場合に、もし住宅ローンが残っている場合は、ローンを支払い終えた分、すなわち「不動産評価額-ローンの残高」の価格についての財産分与となります。
たとえば不動産の時価評価額が5,000万円、ローンの残債が3,000万円の場合、5,000万円ー3,000万円=2,000万円 を2分の1にして、妻は夫に対し、1,000万円分の財産分与を請求できることになります。
財産分与の際の、不動産の評価方法については、「時価」で計算して割り出すことに注意します。

分譲住宅にそのまま妻が住み続ける~住宅ローンが終了しているかがポイント

離婚後に夫が家を出、結婚生活中に住んでいた分譲マンションや分譲一戸建てに、妻と子がそのまま住み続ける場合は、住宅ローンの支払いが終了しているかどうかが重要な鍵となります。

住宅ローンの支払いが完了している場合

住宅ローンの支払いが終わっていて、夫名義の不動産(土地・建物)を、財産分与として住宅を妻の所有にする話し合いができていれば、所有権移転登記(名義変更)の手続きを行います。

名義変更の手続きには手数料がかかりますので、どちらが負担するのかきちんと決めておいた方がいいでしょう。

財産分与については贈与税も所得税もかかりませんが、不動産など現金以外の物で財産を分与をする場合には、支払う夫側に「譲渡所得税」がかかることもあります。
譲渡所得税は、買った値段よりも高く売った場合に発生する利益に対して課税されるものです。たとえば3,000万円で購入した自宅の土地建物の時価評価額が4,500万円であったとすると、差額の1,500万円が譲渡益として譲渡所得税の対象となります。

この場合、土地を譲る側(財産を譲渡する側)が税金を支払うことなります。

ただし、居住用の不動産を譲渡する場合は、譲渡所得3,000万円までの「特別控除」が受けられますので、この場合は「非課税」となります。この「特別控除」を受けるには、親族以外への譲渡が用件となっているため、離婚後に手続きを行う必要があります。
ローンの名義も不動産の名義も妻にすることは可能か?

「離婚するのだから、建物もローンの支払いも、全部名義変更したい」と思う人も多いかもしれません。
しかし、不動産ローンは、住んでいる不動産を担保に、銀行がお金を貸し付けているものなので、ローンを支払い終えるまでは、その不動産には銀行の抵当権が付いていることになります。

民法では、抵当権が設定された不動産の所有権は、抵当権者の承諾なしに変更することが可能としていますが、実際には、住宅ローンを借りる際に銀行と取り交わした「金銭消費貸借契約」には、「抵当権の目的となる不動産の所有者名義を変更する場合は、事前に抵当権者の承諾を得ること」と書かれている場合がほとんどです。
ローンの付いている不動産の名義を変更するには、債権者である銀行などの金融機関の承諾が必要になります。

この場合、金融機関が債務者の変更を認めることは、実際にはほとんどありません。

妻に支払い能力があり、住宅ローン自体を妻名義で借り換えることができれば、建物の所有者名義も妻に変えられる可能性はあります。
しかし銀行がローンの支払能力がないと判断した場合は、ローンの借り換えはできませんし、不動産の名義も書き換えることはできません。夫名義の不動産に、夫名義のローンが付いたまま、妻は住み続けることになります。
結局、妻に安定した収入がない場合は、財産分与や慰謝料の支払いを減らして、その分をローンの返済の充ててもらって、夫に支払い続けてもらうことになります。

夫名義の建物に、夫が住宅ローンを支払い続け、妻がこの不動産に住み続ける

結局、夫名義の建物が住宅ローンを支払い続け、妻がこの不動産に住み続けるといった方法を採るようになります。
この場合、不動産ローンは購入した不動産を担保に、銀行が貸し付けているものなので、夫のローンの支払いが滞れば、妻の居住権が失われる可能性があります。ローン完済までは、何がなんでも夫に支払ってもらわなけばならないことになります。

母子生活支援施設~緊急時に役立つ

「母子生活支援施設(旧母子寮))は、児童福祉法第38条に基づく施設です。すなわち、「母子生活支援施設は、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする」とするものです。
18歳未満の子供を養育している母子家庭で、ただちに公営住宅等への入居が困難で、かつ生活上のいろいろな問題により、子供の養育が十分できない場合に、母子ともに居室を提供してくれます。

施設の規模としては20世帯程度の建物が多いようです。
「母子生活支援施設」は、厚生労働省の調査(「平成19年度社会福祉施設等調査報告」)
によると、全国で272の施設があり、4,056世帯10,608人が入所しています。しかし、各区・市にはない場合があります。その場合は他の区市にある施設を利用することになります。
近年、母子生活支援施設に、新しく入所される利用者の世帯数は増加しています。特にドメスティック・バイオレンス(DV)や借金などの問題を抱えた母子は急増しています。
そうした人たちの個人情報を守るため、母子生活支援施設については、施設名は分かりますが、場所は公表されていません。
ですので、各市町村の福祉事務所に問い合わせて、相談する必要があります。

在所期間2~3年で自立できることを目標としています。
母親は自立のため、この施設から仕事に通うようになります。
入居費用は、所得に応じて金額が異なり、無料~になっています。共同生活なので、他人を泊めてはいけない、夜10~11時が門限、外泊は許可が必要、お風呂は時間が決まっている・・などの、規則があります。
若いお母さんにとっては窮屈なルールかも知れませんが、子供の生活のリズムを考えれば、悪いことではないかもしれません。

施設内保育室では、所に入所できない子供のために、保育士を配置しています。また、心理療法担当職員も配置するなど、母子ともに、精神面・生活面の両面に渉り、サポートしています。

公営住宅~優遇措置もある

公営住宅は、公営住宅法に基づき、事業主体(地方公共団体:都道府県又は市町村)が整備し、管理運営している低所得者向け賃貸住宅です。
母子及び寡婦福祉法(昭和39年法律第129号)第18条では、「地方公共団体は、公営住宅法法による公営住宅の供給を行う場合には、母子家庭(20歳未満の子)の福祉が増進されるように特別配慮をしなければならない。」とあります。
公営住宅の家賃は、所得に応じて段階的に決められいて、同じ間取りで同じ建物に住む場合でも、所得に応じて家賃が異なってきます。

母子家庭の場合、扶養控除に加えて寡婦控除(母子家庭控除)が適用されますので、家賃がうんと安くなる可能性がありますので、入居できれば、民間アパートに比べて、住居費がかなり節約できます。

母子優遇措置は、各都道府県・市町村により異なりますが、抽選に複数回を設けるものもあれば、困窮の度合いの高い者から順に入居させる制度を設けているところもあります。

東京都営住宅の場合、2つの方式で、優遇処置を講じています。

・優遇抽選(5月、11月)
世帯向(一般募集住宅)の優遇抽せんのある地区で、当選率が一般世帯より優遇され、ひとり親家庭(母子・父子家庭)は、空き家・新築の一部で、当選率を一般より7倍程度高くして、住宅を募集をしています。

・ポイント方式による募集(8月、2月)

書類審査や実態調査に基づいて住宅に困っている度合いをポイント(点数)化して、住宅に困っている度合いの高い方から登録し、抽せんによらず、あき家が発生する都度、登録順位の上位の方から住宅を提供しています。ひとり親で所得の低い場合は申し込めます。
都営住宅の募集(ひとり親向き)
募集期間 対象世帯等
5月上旬家族向 ひとり親の場合、ここでの抽選倍率が優遇されています
8月上旬家族向 ひとり親・心身障害者・車いす使用者・精神障害者・多子などの世帯や特に所得の低い一般世帯の方の中で、ポイントの高い順に優先されます。
11月上旬家族向 ひとり親の場合、ここでの抽選倍率が優遇されています
2月上旬家族向 ひとり親・心身障害者・車いす使用者・精神障害者・多子などの世帯や特に所得の低い一般世帯の方の中で、ポイントの高い順に優先されます
(東京都都市整備局 http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/index.htmlより)

子供について

離婚したくても離婚できない理由の1つに、子供の問題があります。
離婚前・離婚後に1番悩むことが、「子供の心のケア」の問題ではないかと思われます。

当事者の大人でさえ、離婚後の生活に対して不安があります。まして子供の場合は、自分の意思とは関係なく、親の離婚という事実を、否が応でも受け容れざるをえない状況にあります。子供の年齢にもよりますが、環境の変化に巻き込まれてしまうだけの子供にとって、親の離婚は、当然のことながら不安で恐怖です。そして、少なからずキズを残します。
離婚を挟んだ時期は、忙しく大変な時期かもしれませんが、そういうときだからこそ、子供とのコミュニケーションを大事にしていくようにしましょう。子供の心は、親の気持ちにもとても敏感です。親が本音で子供と向き合っていくことが大切です。

子供のいる場合は、自分が就職先を決めるのと同じように、子供の預け先を決めて確認しておくようにしなければなりません。せっかく仕事が決まっても、子供の預け先が決まらなければ、身動きが取れなくなってきます。

就業中子供を預かってくれる保育園には、国の定めた基準をクリアしている市区町村で運営・管理する「認可保育園」と、「認可外保育園」とがあります。

「許可保育園」入園が望ましいと思われますが、募集時期がありますし、また、定員もあります。
入園できる時期を待つ間、どこに預けるかなどについても、対策を講じておく必要があります。

自治体などの要請を受けて、子供を預かってくれる「保育ママ」(社会福祉員)もいます。1人の保育ママが預かる子供の人数は3人までと制限されていて、「保育ママ」の自宅に子供預けに通うことになります。保育士や教員、看護士等の資格を持っている人や育児経験者で研修を受けた人たちが、家庭的で子供のなじみやすい環境で預かってくれるので、安心して預けられますが、保育料金は各保育ママによって違い、一般的に保育園よりも格段と高くなるようです。こうした子供の預け先に関しては、市区町村の福祉事務所に相談してみるようにしましょう。

父母が離婚するなどして父親の養育を受けられない母子家庭などの児童のために、支給される手当に、児童扶養手当があります。現在では、その支給額の3分の1を国が、残りの3分の2を地方(都道府県または市)が負担しています。

手当の金額は、所得と子供の人数によって変わってきます。
所得が限度額以上になると、受給することはできません。

限度額は子供の人数で変わります。

 

所得に応じて10円きざみの額になります。
児童1人の場合、9,850円~41,720円になります。

第2子については月額5,000円、第3子以降については1人増えるごとに3,000円加算されていきます。
児童2人の場合、14,850円~46,720円
児童3人の場合、17,850円~49,720円

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