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奨学金

日本は先進諸外国に比べて、奨学金制度が徹底しているわけではありません。
無償還奨学金や、利子のない条件のいい奨学金は、申し込みが多過ぎて、受けられないことがほとんどです。

たとえ奨学金が受けられたとしても、それで学生生活のすべてを賄えるわけではありません。そしてまた、卒業後の返済も大変です。

子供に十分な教育を受けさせることまで考えるならば、いくら夫が嫌いになったからと言って、手を切ることばかり考えるのではなくて、教育費の面倒を夫に看てもらうことは、ある意味子供のために、必要なことかもしれません。夫婦は別れれば他人ですが、2人の子供であることは事実です。

もし代理人を入れることが可能ならば、間にそうした人に入ってもらってでも、子供の将来のために必要な教育費については、きちんと話をしておくことが大切です。そして話し合いの結果は、できれば公的証書などに残しておければ最善です。

奨学金の現状

日本の奨学金事業は、全体で奨学金制度の徹底したアメリカの10分の1ほどの事業規模だといわれています。
アメリカでは90%以上の大学生が奨学金を必要とし、卒業までに何らかの奨学金をもらっているといわれていて、アメリカでは奨学金の受給はごく一般的なこととして認識されています。これに対し、日本では、昼間部大学で受給者は43.3%(独立行政法人日本学生支援機構『平成20年度学生生活調査』より)。比率だけでもアメリカに比べ、はるかに低い受給率だといえますが、それだけではなく、アメリカ大学奨学金留学の奨学金は、大学のOBや地元の資産家からの寄付金を財源としていて、返済義務がないことです。この点、厳しい返済義務のある日本の奨学金制度とは大違いです。
日本における奨学金制度は、先進国中間違いなく最低の水準にあるといえます。

日本政策信用金庫(国民金融公庫)の調べによると、平成21年度について、高校入学から大学卒業までに必要な経費は、子供1人当たり10,077,000円(前年度は10,236,000円に比べ、159,000円減少)となっています
これを世帯年収による階層別にみると・・・
200万以上400万円未満の世帯は、8,777,000円、前年度9,997,000円に比べ122,000円減少。
400万円以上の世帯では、本年度10,425,000円、前年度10,315,000円に比べ110,000円増加となっていて、年収による格差は広がりを見せていることが分かります。
世帯年収に占める在学費用の割合は、33.7%と前年並みですが、世帯年収による階層別で見ると、年収の低い世帯ほど、子供の在学費用の負担率は重くなっていることも分かります。
400万円以上の世帯の平均負担率は約28.8%なのに対し、200~400万円未満の家庭では48.3%(昨年は55.6%)と、約半分の負担を強いられています。

一方において、文部科学省調査(『私立大学等の平成21年度入学者にかかる学生納付金等調査結果について』)によると、私立大学に支払う初年度の入学金・授業料・施設使用料の合計額は、平均で131万円を超え、過去最高となったというデータもあります。

低所得者層出身者の子は、経済的に、自身の望む教育を受けることが難しい実態があります。
「学費の捻出方法としての奨学金」は、「教育費以外の支出を(親が)削る」63.8%に次いで多い52.3%を占めています。次に多かったのは、「(在学者本人が)アルバイトをしている」が40.1%でした。
前年度の「教育費以外の支出を(親が)削る」は61.4%、「(本人が)奨学金を受けている」は49.3%で、いずれも前年度に比べ、増えています。
大学卒業までに必要な経費から考えると、たとえ奨学金が受けられたとしても、十分ではなく、在学中アルバイトをしている実態がうかがえます。低所得者の子たちは、奨学金で学費を賄えきれないとなると、就学以前の段階で進学をあきらめてしまわざるを得ません。

日本の奨学金事業の主体になるものとしては、文部科学省所管の特殊法人である「日本育英会」(現「日本学生支援機構JASSO」)がありました。
現在奨学金を受けている人の75%、奨学金総額の85%が、この現在の独立行政法人「日本学生支援機構JASSO」の奨学金だといわれています。

日本育英会は歴史が古く、昭和18年から65年間に亘り、延べ893万人が利用してきたと言われています。アメリカやヨーロッパのように、就学の意思のある学生への奨学金制度徹底していない日本においては、現在も、経済的に苦しい就学生の唯一の頼みの綱になっています。

独立行政法人日本学生支援機構、通称JSSO(旧日本育英会)の奨学金

日本育英会は、独立行政法人日本学生支援機構(通称JASSO)となりました。これに伴い、国が旧日本育英会を通じて実施してきた奨学金のうち、高校奨学金(高等学校及び専修学校高等課程)は、平成17年度入学者から順次、都道府県に移管する流れになってきています。
日本学生支援機構の奨学金制度には「第一種奨学金」と「第二種奨学金」の2種類があります。
「第一種奨学金」は無利子ですが、「第二種奨学金」には年3%の利子がつきます。

併用貸与も可能ですが、基準がグンと厳しくなります。

貸与月額

第1種(無利子)
区分 通学 貸与月額
大学 国・公立 自宅 45,000円
自宅外 51,000円
私立 自宅 54,000円
自宅外 64,000円
30,000円※
短大
専修(専門)
国・公立 自宅 45,000円
自宅外 51,000円
私立 自宅 53,000円
自宅外 60,000円
30,000円※
第2種奨学金(有利子)
区分 貸与月額(自由選択)
大学・短大・専修(専門) 3万円・5万円・10万円・12万円から選択
私立大学・ 医・歯学課程 12万円を選択した場合に限り、4万円の増額可
私立大学・ 薬・獣医学課程 12万円を選択した場合に限り、2万円の増額可
入学時特別増額貸与奨学金

1年生と、編入学者には、入学後の初回振込みの際に、月額に10万円、20万円、30万円、40万円、50万円の有利子奨学金を増額して貸付する入学時特別増額貸与奨学金制度もあります。

成績における基準

第1種(無利子)
区分 学力
(1年次に在学する者)
大学 国・公立 高校2~3年の成績が
3.5以上の者
私立
短大 国・公立
私立
高専 国・公立 中学3年の成績が
3.5以上の者
私立
専修
(専門)
国・公立 高校2~3年の成績が
3.2以上の者
私立
大学院 修士課程 大学・大学院の成績が
特に優れている者
博士課程
第2種奨学金(有利子)
区分 学力
(1年次に在学する者)
大学 国・公立 (1)高等学校等における成績が平均水準以上の者
(2)特定の分野において、特に優れた資質能力があると認められる者
(3)学修に意欲があり、学業を確実に終了できる見込みがあると認められる者
私立
短大 国・公立
私立
高専 国・公立
私立
専修
(専門)
国・公立
私立
大学院 修士課程 (1)大学・大学院の成績が優れている者
(2)学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる者
博士課程

第2種奨学金(有利子)は、学習意欲のある人を広く対象とするために、第1種奨学金(無利子)に比べて、いくらか成績の基準もゆるやかになっています。

所得基準

第1種・第2種奨学金における所得制限は、次のようになっています。

第1種(無利子)
区分 年収・所得の上限額(4人世帯の目安)
給与所得世帯 給与所得以外の世帯
大学 国・公立 951万円 465万円程度
私立 998万円 512万円
短大 国・公立 936万円 450万円
私立 982万円 496万円
高専 国・公立 802万円 338万円
私立 836万円 362万円
専修(専門) 国・公立 907万円 421万円
私立 973万円 487万円
大学院 修士課程 本人及び配偶者の収入(目安) 541万円以下
博士課程 614万円以下

第1種・第2種奨学金における所得制限は、次のようになっています。

第2種奨学金(有利子)
区分 年収・所得の上限額(4人世帯の目安)
給与所得世帯 給与所得以外の世帯
大学 国・公立 1,292万円 757万円程度
私立 1,344万円 809万円
短大 国・公立 1,276万円 741万円
私立 1,326万円 791万円
高専 国・公立 1,242万円 707万円
私立 1,268万円 733万円
専修(専門) 国・公立 1,244万円 709万円
私立 1,316万円 781万円
大学院 修士課程 本人及び配偶者の収入(目安) 595万円以下
博士課程 798万円以下

申し込み方法

入学前の申込は高等学校または専修学校(高等課程)を通じて行います(予約方式)。
募集の時期は年3回、おおむね以下の時期に受け付けています。
・第1回:4月~6月下旬(第1種および第2種) 
・第2回:10月上旬(第2種のみ)
・第3回:12月中旬(第2種のみ)

入学後の申し込みは、進学した学校を通じ、募集は原則として毎年春に行います(在学採用方式)。
主たる家計支持者の失職・破産・会社の倒産・病気・死亡または火災、風水害等による家計急変のため緊急に奨学金の必要が生じた場合は随時。平成22年の蹄疫の発生など、被害を受けた世帯の生徒を対象として、第1種の申込期間を10月上旬まで延長しています。

所定の書類を学生課を通じて提出します。
申し込みの際に必要な連帯保証人・保証人、機関保証

申し込みの際は、保護者による連帯保証人のほかに、4親等以内65歳未満の成人の保証人をつけなければなりません(「人的保証」)。連帯保証人や保証人が得られない場合であっても、奨学金の貸与を受けることができますが、その場合は、保証機関の保証を付さなければならないとしています(「機関保証」)。

延滞した場合は、保障機関が奨学生に代わって奨学金の返還をしてくれますが、その場合、奨学生は、保証機関から残金の一括請求されることになります。
給付方法

在学する学校の標準修業年限の終期までとし、毎月、本人の銀行、信用金庫または労働金庫の口座に振り込まれます。

返還

返還金はただちに後輩奨学生の奨学金として運用されることになっていますので、貸与終了後は、約束どおり確実に返還する必要があります。有利子の奨学金には、年3%の利子が付きます。
ゆうちょ銀行、銀行、信用金庫または労働金庫に預貯金口座を設けて、「リレー口座加入」を申し込むと、そこから引き落としされることになります。

JASSOの示す返済例

第1種奨学金は無利子の奨学金ですが、第2種奨学金の方は年率3%の利息を支払う必要があります。
仮に大学4年間に月10万円ずつ総額480万円の貸与を受けたとすると、卒業後20年間でこれを変換しなければならないことになり、総額645万9,510円もの額(元金+総額約35%の利子)を返済しなくてはならないことになります。卒業後も返還に苦労を強いられることになります。

それどころか、約束の返済期限を過ぎると、年利10%の遅延利息が、日数に応じて課されます。
これはもはや奨学金ではなく、営利目的の消費者金融に近いと言う人さえいます。
日本における奨学金制度は、他の欧米諸国の足下にも及ばず、国際的に見て完全に立ち遅れているといえます。

大学学部・貸与期間48月の場合
貸与月額(円) 貸与総額(円) 返還総額(円) 月額金額(円) 返還回数(円)
30,000 1,440,000 1,761,917 11,293 156(13)
50,000 2,400,000 3,018,568 16,769 180(15)
80,000 3,840,000 5,167,586 21,531 240(20)
100,000 4,800,000 6,459,510 26,914 240(20)
120,000 5,760,000 7,751,445 32,297 240(20)

日本政策金融公庫(国民金融公庫)

日本政策金融公庫では、国の教育ローンを取り扱い、融資しています。

融資額

学生・生徒1人につき300万円以内

受給資格

世帯の年間収入(所得)が次表の金額以内であることが必要です。

平成20年9月までは世帯の年間収入が990万円(事業所得者:世帯年間所得770万円)以内でしたが、以下に変わりました。

扶養している子供の人数 給与所得者(事業所得者)
1人 790万円(590万円)
2人 890万円(680万円)
3人 990万円(770万円)
4人 1,090万円(860万円)
5人 1,190万円(960万円)

上記を満たさなくとも、世帯の年間収入が990万円(所得770万円)以内であって、
(1)勤続(営業)年数が3年未満
(2)居住年数が1年未満
(3)年間収入(所得)に対し、返済負担率(借入申込人の借入金年間返済額の割合)が30%超
のいずれかに該当する場合は、融資の対象になります。

返済期間

15年以内(交通遺児家庭または母子家庭は18年以内)。
従来の10年以内(交通遺児家庭または母子家庭は1年延長)より、延びました。

保障機関

(公財)教育資金融資保証基金 ※連帯保証人による保証も可能です。

利率

年2.45%(母子家庭は年2.05%)※平成22年9月10日現在

返済方法の目安

年2.45%の利率で計算した返済例
ご融資額 返済期間 毎月の返済額
300万円 5年(59回払い) 54,100円
10年(119回払い) 28,500円
15年(179回払い) 20,100円

上記表による返済額は、借りたお金に対する返済額だけで、借りたことに対する手数料、すなわち、保証料は含まれません。
融資の返済には、別途(公剤)教育資金融資保証基金の保証料が含まれます。保証料だけでも、決して小さな額ではありません。
ただし、この保証料は、直接支払うというものではなく、融資金から一括して差し引かれることになっています。つまり300万円の融資を受けても、300万円をそのまま受け取れるのではなく、この保証料が引かれた額を受け取ることになりますので、注意する必要があります。

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